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■ もくじ ■
=コラムトップ=
=漆の不思議(硬化編)=
=漆は弱いのか=
=椀と椀=
=漆は皮革のように=
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=漆は皮革のように・・=
“コラム2 漆は弱いのか”で触れた通り、漆器にはデリケートな
一面があるものの、非常に耐久性に優れた一面があることも事実です。
漆器文化が非日常になりつつある昨今ですと、漆器に興味があっても
漆器の特性が良く分からずに敬遠してしまうケースもあるようです。
皆様にとって身近な素材ですと、漆器は皮革製品に最も近い特徴を
持っているのではないかと思っています。
品質面で言えば、元来は天然素材である点や、その代替として
皮革であれば合皮。漆器であれば漆塗ではなく、
カシュー塗や木粉製品などが開発され、
手軽なお値段で提供できるようになった点など。
そして使用面で言えば、デリケートな側面、つまり、皮革も漆器も
表面にスリ傷がつきやすいことと、それでいて製品としては
非常に耐久性が高い部分です。
ファッションで、シーズンごとに使い捨てのような感覚が皮革製品にも
出てきてしまっているようですが、本来的には、じっくり使い込むことに
より、その人なりの“味わい深さ”が革に出てくること。
また、その“じっくり使い込む”に耐えられる耐久性が
備わっていることが、皮革製品が愛されてきている理由の
最大の一つだと思います。
漆器の特性・特徴も、まさに皮革と一緒です。
小さなスリ傷は確かに付きやすいと言えますが、
滅多に割れることもなく、日々の食卓で使い込んでいただく。
毎日お使いいただくことで、その人なりの表情に変わり、また、
愛着を持てるようになる。
そして、
漆器が皆様の食卓を少しだけ豊かになれるようお手伝いが出来る。
そのようなイメージを持って頂ければ、
漆器の見方も分かり易いのではないでしょうか。
(2006/7/28)
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