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    16世紀に千利休が侘び寂び、といわれる
    簡素な趣や「一期一会」の心を取り入れ、
    大成された茶道。

    「一期一会」とは一生にただ1度の出会いという意味。
    主人は出会いを大切にするために、
    床の間に飾る掛け軸や花、茶碗などの道具を心を
    込めて用意する。

    一方、客はそれらのものから
    主人のもてなしの心を思い、感謝の気持ちを持つ心、
    それが茶道で言う一期一会。

    この『棗 森羅万象蒔絵』は、そんな一期一会の
    中でも、ほんの一瞬の驚きという演出をするための
    器と言ってもよいかもしれません。

    今日は、そんな一瞬の驚きのために注がれた作家の
    10年間の物語をお話させていただきましょう。

    10年前100個完成した木地が、最終的に
    世界に一つの作品に仕上げられていく過程を、
    棗の内側を華やかに飾る百花百虫とともに
    ごゆっくりとお楽しみくださいませ。

    この棗の製作が開始されたのは、今を遡ること10年。
    若宮氏の親方が、山中の腕のある職人さんに
    木地の製作を依頼するところから始まりました。

    まず最初にこだわったのは、木地。
    材料である欅の木は、元来高級な木材の一つ。
    その中でも、今回の作品を作るにあたってお願いしたのは
    100年以上前の欅の“樹皮から1寸程の部分”
    この樹皮から1寸目の部分は、木の赤身部分で、
    穴が多く、目が一番細かい部分のため、
    木という素材自体が生み出してしまう乾燥などによる
    “ゆがみ”を最小限に抑えることができるのだとか。

    特殊な材料が必要なため材料を探すだけでも、数ヶ月、
    数年…という時間を要したのではないでしょうか。
    その欅材は欅の木で向こうが透けて見えるほど
    薄く仕上げられます。

    この棗を製作する上で最初に定めた目標重量は、
    50グラム〜60グラム。つまり、木地の段階では20グラム
    以下の重さを要求されることになります。通常の棗より
    30グラム以上も“軽い”ということを追求したのは、
    「木製であるよさ」にこだわったため。木製であるよさは
    軽い、割れない、壊れにくい…ことだと思う、と語る若宮氏
    の一つのこだわりが、棗とともに過ごす10年の歳月を開始
    させました。



     

    さて、若宮氏の木地へのこだわりは、
    一つだけでは終わりません。
    実は、この棗には棗の親と蓋に共木を
    用いております。共木とは、
    親と蓋を同じ一本の木からとること。

    従来、これほどまでこだわって、
    材料を指定することは、本当に稀なの
    ですが、今回はその軽さ、薄さに
    こだわるために生じる、木のゆがみを
    最小限に抑えるために、共木という
    こだわりが選択されました。


    また、珍しいこだわりは、
    “木地がゆがまないために型も
    制作していること”

    同じ材質の欅で蓋と親を製作する
    だけではなく、ゆがみを防ぐために
    はめる型にも同じ欅を使用して
    います。

    蓋、蓋の型、親、親の型…と、
    一つの作品を製作するために4つの
    材料を必要とするこの技法は、
    若宮氏のふるさとでもあり、高級漆器
    の名産地、輪島でもめったに
    用いられることのない贅沢な
    技法の一つなのだそうです。

    若宮氏のこだわりは、
    木地という漆器の漆までたどり
    着いていない、この段階で、
    彼に4年の歳月を投下させていました。



    “塗り始めたのは6年程前。
    木地固めの方法も特殊な方法です。
    布着せの布、布の張り方も特殊な方法です。

    塗り方、漆も特殊ですが、特殊といいましても、
    つい最近までは当たり前の方法であった技法が
    30年前くらいからだんだん誰もできなくなってしまった技法です。
    その技法を習いながら制作したため非常に時間がかかりました。”

    と語る若宮氏。
    塗りの段階では、何度も布着せなどを繰り返し行うため、
    一年に7個を仕上げるのが限界。

    そして、当然、その中でもできの悪いものを省いていく作業が
    あり、この、“闇蒔絵”や“高蒔絵”を施す段階までいけた
    ものは2つだけ。その作品に他に類を見ない精巧な蒔絵を
    仕上げるのに、また数年…。

    結局、完成を見る頃には、製作から10年の歳月が余裕で
    過ぎ去っていたのでした。



     


    【↑マウスを合わせると蓋をあけた画像になります】
    陰と陽の世界の表現、自然界を小さな棗という
    器の中で表現した作品…。

    多くの思想、若宮氏の想いを背景に作られた作品
    だけに、少し難しく考えすぎてしまうかもしれない。

    では、10年もの間を通して、作家・若宮隆志を
    製作に向かわせた一番大きなそして、単純とも
    いえる想いは何だったのでしょう?

    茶道の道具である棗だからこそ、描けた熱い想い。
    薄茶を注ぐその棗という伝統の器を手にした
    その客人に主人から一番初めに贈る贈り物。

    そう、それは、繊細に施された闇蒔絵のあと、
    蓋を開けた瞬間に客人が手にする
    “驚き、感動”という贈り物の演出の手助けをしたい
    という想い。

    「黒い闇を表現した表面の蒔絵を見た後に、
    内側の豪華絢爛、華やかな蒔絵を見てもらうことで
    驚いて欲しかったんだ…」

    これは、取材に応えてくれた若宮氏本人の言葉。
    10年の歳月をかけて取り組んだ作品は、客人が
    、手にする人が蓋を開いてその華やかさに触れる…
    その一瞬のための結晶。

    一期一会…。
    この棗は、まず自分に、そして客人に最高の
    出会いを演出してくれる作品です。





    漆芸作家・若宮隆志(わかみや たかし)
    1964年 輪島に生まれる
    1984年 塗師屋に就職
    1988年 年季明け後、母や先輩より塗りと乾漆・蒔絵技法を習い独学にて勉強中
    1998年 漆木の植樹と漆掻き漆の天日黒目を始める
          

    古典的な材料と技術と意匠を研究する事で、現代の生活のなかに本物の漆芸品
    を蘇らせることを目的として取り組んでおります。



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