山田平安堂の漆器の蒔絵カフス、梨地

カフスリンクス。

シャツの袖口を彩るカフスは、スーツ姿の時に身につけることが出来る数少ないアクセサリーの一つ。背広の袖口からさり気なく見えるカフスの煌めきに、洗礼された佇まいと教養の深さを感じ、魅力に思う方も多いのではないでしょうか。

一目で惹きつけられる魅力を放ち、それでいて、決して過剰な自己主張があるわけではない。

漆器のカフスには、そのような一見相反する2つの要素を兼ね備えた、独特な魅力があります。これまで様々なアクセサリーを試されてきた方にこそおすすめの一品をご紹介いたします。

日本人の袖元にぴったりの、漆のカフス。

スーツを着た男性の袖元と、山田平安堂の漆器の蒔絵カフス、梨地

元々カフスは17世紀フランスにルーツを持つため、アンティークのものだったり、名門ブランドの豪華絢爛な装飾の作品を取り入れるのは、なかなか難しいものです。

一方で、漆は日本で少なくとも5000年以上の歴史がある、伝統的な素材。華やかな行事では欠かせない存在であり、武士の兜の装飾など、あらゆる物の装飾に使われてきました。

ルーツが海外にあるからこそ、伝統的な装飾により、自分のモノとすることができるのではないでしょうか。例えば、スターリング・シルバーに日本の伝統的な蒔絵の装飾を施したカフス。数千年前から生活に根付いていたからこそ日本人の袖元に馴染みやすく、上品で華やかな印象を演出できます。

漆のカフスこそが、カフスを探す旅の終着点となるかもしれません。

世界に漆器をJAPANと言わしめた、蒔絵を手元に携える。

山田平安堂の漆器の蒔絵カフス、銀研出

漆のカフスの中でも、絶対に検討の候補に入れたいのが蒔絵のカフス。

蒔絵とは、漆器に漆を用いて絵や文様を描き、金銀粉を蒔いた後、さらに磨き上げる漆芸を代表する伝統技法のことを言います。

19世紀、パリで行われた万博において西欧の人々に日本の芸術、日本の文化力を知らしめたと言われるのが、この蒔絵という技法です。

平安の雅を愛した貴族、時代を謳歌した豪族、武家たち・・・。そして、言葉も文化も精通してなかったかつての西欧の人々の心をも魅了した、精巧で華やかな蒔絵の美。蒔絵のカフスは、日本が誇る普遍的な美を手元で楽しめる贅沢な一品です。

艶やかに光る黒い塗装面に、重厚な黄金の輝きが映える蒔絵、また彩り鮮やかな螺鈿の漆工芸は、とくにヨーロッパの富裕層のあいだで評判となり、日本という東方の未知の国を象徴する物品として珍重された。一七世紀から一八世紀の文献に登場する「ジャパン japan」の語は、広義の塗物を意味するが、それは、このような日本製漆器愛好を背景としている。

国立歴史民俗博物館『企画展示 URUSHIふしぎ物語 -人と漆の12000年史-』(歴史民俗博物館振興会、二〇一七)一八七頁

おすすめの漆のカフス5選

ここからは、おすすめの漆のカフスをご紹介いたします。装飾美を極めたような蒔絵の柄や、漆を塗り重ね独特の表現をした作品など、様々。ここぞという時の懐刀のような、将来の愛用品をお探し下さい。

【山田平安堂】カフス 梨地

山田平安堂の漆器の蒔絵カフス、梨地

梨地(なしぢ)という、少し粗めの金粉を蒔き、その上に漆を重ね、研ぎ出していく古典的な技法で仕上げた一品。こちらの作品は、一般的な梨地よりもあえて漆を厚めに塗り、研ぎ出しの度合いを調整することで、深みのある落ち着いた色合いとなっている。スターリングシルバー×漆塗(蒔絵)。

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【山田平安堂】カフス 銀研出

山田平安堂の漆器の蒔絵カフス、銀研出

漆で塗り上げたボディに、銀粉を蒔いて絵柄を描き、改めて漆で塗り上げる。乾燥させた後、絵柄を研ぎ出し、艶を上げて仕上げる「銀研出(ぎんとぎだし)」によって表現された一品。スターリングシルバー×漆塗(蒔絵)。

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【山田平安堂】カフス 白檀

山田平安堂の漆器の蒔絵カフス、白檀

銀箔の上に漆を塗り重ねることで、独自の艶やかな飴色を表現した一品。シルバーのボディーに銀箔を使用した技法は、素材感としても抜群の妙。スターリングシルバー×漆塗(蒔絵)。

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【山田平安堂】≪セミオーダー≫イニシャルカフス 夜雲(やぐも)

セミオーダーできる山田平安堂の漆器のイニシャルカフス、夜雲

オーダーしたイニシャルを、職人が一点一点手描きで塗り上げる、セミオーダーのカフス。会社のロゴなど、オリジナルデザインをオーダーすることもできる。スターリングシルバー×漆塗(蒔絵)。

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【Natsuko Minegishi】堆漆カフス

Natsuko Minegishiの漆器のカフス、堆漆

漆の伝統技法「堆漆 tsuishitsu」により、色漆を100?200回ほど塗り重ねた堆漆板をカットし、磨き上げた一品。一つずつ手作業で制作するため、色の出具合、大きさ、形の全てに個体差が出る。漆ならではの落ち着いた柔らかい艶と色味が経年変化していく様を楽しみたい。 真鍮×漆塗。

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まとめ

高い技術を用いた作品ほど、制作に時間もかかり、機会を逃せば入手困難となる可能性も。
気に入った作品があれば、早めに問い合わせるのが良いでしょう。