一定の年齢を迎えるごとに長寿を祝う儀式がございますが、そのことを「年祝い」と言います。

還暦という言葉は、本卦還り(ホンケガエリ)といって、十干十二支が一回りし、生まれた年の干支にもどることからつけられたもので、“還暦祝い”は、六十歳の御祝い(数え年で六十一歳)に長寿を祝う気持ちを込めて贈る贈り物になります。


還暦祝いは、還暦祝いの前日までに、または当日に渡すのが良いとされております。
ただ、贈り物は気持ちの問題ですので、多少お渡しするのが遅れても、お世話になった方でしたら
お祝いを差し上げたほうが良いのではないでしょうか。



還暦祝いは、赤ちゃんに還るという意味と、赤は魔よけの色 ということから、赤い色のものを家族や
親戚が贈り、益々元気に過ごせますように、という願いをこめて祝います。

赤いちゃんちゃんこや、赤い頭巾を贈る風習がございます。ただ近年は還暦を迎えても現役で元気に
働いている方が多いので、お年寄り扱いされることを嫌う方もいらっしゃいます。そのため、
お祝いの気持ちを込めて、赤色が添えてある贈り物を選ばれる方が多いようです。


還暦祝いの伝統は奈良時代に中国から伝わったものですが、漆器は、普段使いの食器としての
一面はもちろんのこと、古くから御祝いの席を彩る晴れの器という役割を担ってきました。
朱の器は華やかでありながら落ち着きのある風合いがございますので、お祝いの贈り物に
お薦めでございます。



のし紙(熨斗紙)の水引きは、白赤の蝶結び、上書きは「還暦御祝」のものを用います。

還暦祝いは祝当日か、一週間前後に贈るのが一般的となります。名前は贈り主の苗字かフルネームを書きます。

蝶結びは、結びが簡単に解けて何度も結び直せる意味合いがございます。何度も繰り返してほしいとの願いを込めて、一般祝事を始め、 お礼・ご挨拶・記念・行事などのご贈答に用いられます。